雇われるのではなく、自ら会社を起こすという生き方を選ぶ人が増えています。
ＩＴ起業家良い例でしょう。短期間で会社を大きく成長させ、成功を手にした彼らは、マスコミにもたびたび登場して注目を集めています。

これまで起業して成功するには、多額の資金が不可欠と考えられていました。しかし今は人々の生き方やニーズも多様化し、資金力だけで強引に勝ちに行くのは難しい時代です。

成功を成し遂げた起業家たちも、最初から資金に恵まれていた人ばかりではありません。アイデアや行動力、そして知識や技術を武器に、短期間で成功を成し遂げたのです。

もちろん大金持ちを目指す方ばかりが起業ではありません。好きなことを仕事にしたい、自分のビジネスプランを世に出してみたい、仲間とビジネスを育てたいなど、目標は人それぞれです。より自由に、自分らしい創業をする。そんな時代になったのです。

自分らしい起業を強力にバックアップするのが、2006年春に施行の新会社法です。新会社法によって、今まではハードルの高かった株式会社が、より簡単につくれるようになりました。起業を考えていた人にとっては、まさに「そのときが来た」と言えるでしょう。

これまで株式会社を設立するには、原則１０００万円以上の資本金を用意しなければなりませんでした。そのため素晴らしい技術やノウハウがあっても、まずは個人事業や有限会社からスタートして、軌道に乗ったら株式会社に移行するのが一般的でした。

しかし、2006年春施行の「新会社法」によって、株式会社の設立はずっと身近なものになりました。最大のポイントは、「資本金が最低○○万円以上必要」というルールがなくなり、資本金はいくらでもよくなったことです。１円でも構いませんし、出資金を資本に組み入れない方法を使えば、０円にすることも可能です。会社設立に多額の資金が用意できない人でも、株式会社が作れるようになったのです。

また、これまでは取締役３人以上、監査役１名以上を必ず置かなければなりませんでしたが、新会社法では取締役は１人以上いればよく、監査役を置かないことも可能になりました。人数合わせの役員を揃える必要がなくなったので、たった一人でも株式会社が設立できます。「資本金が少ない」「役員の人数がそろわない」と言う人も、ぜひ株式会社の設立を目指してください。

会社を設立する場合は、まずはじめにどんな事業を行うのか、社名はどうするか、資本金はいくらにするかなど、会社の基本的な事項を決めなくてはなりません。会社設立の手続きに入る前に３ヶ月程度の準備期間を設けて、じっくりビジネスプランを練ってください。

社名など必要な事項が決まったら、会社のルールを定めた書類「定款」（ていかん）を作成します。定款ができあがったら、公証役場に定款を持っていって、認証を受けてください。

株式会社の定款はテンプレートはネットに無料で公開されていますので、それを利用すれば便利です。また定款の内容に不備があっても公証役場の公証人が手直しをしてくれます。
また、出資をする人は、出資金を指定された金融機関に出資金を払い込みます。

その後、法務局（登記所）に会社の設立登記を申請し、登記が完了したら、株式会社の誕生です。あとは税務署への届出や、年金・健康保険の加入手続きなどを行ってください。
はじめに会社の基本事項をしっかり決めておけば、設立手続き自体は２週間～１ヶ月程度で終了します。

１．ビジネスプランを練る。
　事業内容、社名、資本金額、事務所の場所、売上目標などじっくり練ってください。
２．会社の基本事項を決定する
３．会社の印鑑を注文する
４．定款を作成する
５．公証役場で定款の認証を受ける
６．出資金を銀行に払い込む
７．代表取締役や本店所在場所を決める
８．法務局で設立登記申請をする
９．登記補正日・登記完了
１０．税務署や役場への届出をする